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フィルム・シートがつくる未来

FILE.02 ハイバリアフィルム

金属蒸着でしか実現しなかった高いバリア性を透明フィルムで実現することにより、お客様の業務や商品を革新した製品。

袴田 智宣(はかまた ともよし)

  • 開発研究センター・
    第3部超バリアフィルムグループ所属。
    コーティングや蒸着などでフィルムに
    機能性(バリア、粘着、離型性等)を
    付与する部署の中で、入社当初から
    バリア性に特化した研究を進める、
    「バリア」のスペシャリスト。
    (所属・役職はインタビュー当時のものです。)

ハイバリアフィルムとは、水蒸気と酸素に対するバリア性を高めた高機能フィルム。その中でも特にバリア性の高い製品が、当社の透明ハイバリアポリエステルフィルム『マックスバリア®』です。従来は金属蒸着でしか実現しなかった機能を透明フィルムで実現することによって、お客様の業務や商品に、 画期的な変化をもたらしました。

FILE.02 ハイバリアフィルム
ハイバリア性を実現した「マックスバリア®」は、どのような経緯で生まれたのですか?

お客様には、ハイバリアに対する潜在的なニーズがあったと思います。
例えば食品のパッケージでは内容物の賞味期限を延ばしたいという当然のご希望がありましたし、産業用途では、アルミ箔やガラスを使っているけれど中が見えないから透明にしたい、より軽量にしたいという声がありました。
またアルミは電気を通しますので、絶縁性を求められる場合もありました。そういったお客様の声に応えて、透明でバリア性の高い製品を開発しようということになったわけです。

バリア性能を付与した透明フィルムを開発するにあたり、解決の方向性は、最初からある程度考えていたんですか?

いえ、この製品については全く考えていなかったですね。目標値が従来品(透明蒸着PETフィルムTL-PET)の1/10以下ということだけは決まっていたのですが(苦笑)、当初は文字通り手探り状態でした。数百種類に及ぶ材料と配合をテストしていく中で、ようやくひとつ可能性のあるものを見つけたという状況です。しかし最初に試した方法では非常に加工性に問題があったんです。

次の壁は、加工性をどう改善していくかということでした。「こうなればいい」というゴールは考えていたので、プロジェクトチームの1人が出したアイデアをもとに改良を重ねて解決していきました。しかし結果的に、いい数字が出るまでに半年近くかかったと思います。

FILE.02 ハイバリアフィルム
実際に量産に移す段階ではいかがでしたか?

工場で同じ数値を出すための"量産設計"の段階でも少なからず課題はありました。長く同じものを作り続けるためには条件を一定にする必要があるんですが、ハイバリア製品の場合はこれまで以上に精密な管理が必要となります。ラインを改造するなど、厳密な条件設定が不可欠になりました。三井化学株式会社との共同研究で開発された材料を使うことでなんとか解決の糸口が見え、これを工場に移管してようやく量産化が実現しました。着想から3年以上かけてようやく商品化が実現した製品なんです。

今、この製品はどんな分野で活用されているんですか?

食品(長期保存が可能な惣菜など)を中心に工業用途にも活用されています。食品の包装用途では、風味も劣化しないという点で予想以上の評価をいただいています。ゴミを減らしたり、高齢者に保存のきくものを提供できるなど、副次的なメリットも少なくありません。

FILE.02 ハイバリアフィルム
将来的にはどんな展開をお考えですか。

さらにバリア性の高い…つまり、限りなく水蒸気や酸素の透過がゼロに近い機能を持つ製品の開発を進めています。将来的には医薬分野や産業用分野、たとえば太陽電池のバックシート、電子機器の内部に使うフィルムなどへの展開を考えています。透明でバリア性が高いというと、これまではガラスが使われてきましたが、これがフィルムで実現すれば、画期的に軽量でフレキシブルに変形する製品が可能になります。今までには有り得なかった用途や商品が生まれてくるのではないでしょうか。ディスプレイや照明分野で期待されている、有機ELなどもそのひとつの可能性ですよね。

MEMO
  • FILE.02 ハイバリアフィルム
  • 世の中にない機能を実現し、不透明なものを透明に、曲がらないものをフレキシブルに変えたハイバリアフィルム。
    数ミクロンのフィルムによって全く新しい商品が生まれ、お客様の作業性や、エンドユーザーの生活をも変えた実例です。

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