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フィルム・シートがつくる未来

FILE.01 エコネージュ®

白色印刷を不要にした、隠蔽性の高いフィルム。国産製品不在の乳白OP市場に新規参入し、シェアを拡大。

本多 啓志(ほんだ ひろし)

  • 開発研究センター・
    第2部延伸フィルムグループ所属
    大学時代からポリマーを専攻。
    入社後間もなく乳白OPの開発に着手し、
    柔軟な発想力でこれを製品化。
    日本製乳白OPの国内市場をゼロから切り拓いた。
    現在、延伸フィルムすべてを統括するグループリーダー。
    (所属・役職はインタビュー当時のものです。)

エコネージュ®は、ポリプロピレンを原料とした乳白色の二軸延伸フィルム。フィルム内の微細な空気層(ボイド)によって美しい乳白色を呈し、かつボイドの分原料が不要な為、一般OPフィルムと比べ20~30%軽量。紫外線カット性・隠蔽性が高い上に、従来必要だった白色印刷を不要にした環境に優しいフィルムです。

FILE.01 エコネージュ®
乳白OP「エコネージュ®」は、どういう経緯でうまれたのですか?

開発当時から白物フィルムはありましたが、日本のマーケットにあるものはすべて海外から輸入されていました。食品包材としての市場はそれなりにあったけれど、日本ではどこも作っていなかった。当社(当時の東セロ株式会社)はここに着目し、事業戦略として国内での乳白OPのシェアを拡大することを目的に、開発がはじまりました。

前例があったということは、
製造方法も分かっていたということですか?

いえ、透明なものを白くするのは簡単ではありません。ある程度アイデアはありましたが…ほぼゼロからのスタートです。
開発は、構造設計(比率の設計)と材料の選定・配合設計からはじめますが、ここにひとつ当社独自のノウハウがあります。

また、ボイド(微細な空気層)を発生させるノウハウと仕組みも当社が独自に開発したものです。
エコネージュ®の場合は既存設備の改造での量産を前提にしていました。ミクロの厚みの中に、延伸の工夫で空気層をつくる構想ですが、実は最初のうちは、延伸できる状態ですらありませんでした。今でこそ当たり前にフィルム状になっていますが(笑)、最初はバッチンバッチン音を立ててシートが切れてしまうんです。これは材料の選定に問題があることもありますが、条件や扱い方が間違っている可能性もあります。どこに問題があるかを見極める観察眼も重要でした。これらを解決しながら、品質目標を満たすものを目指して実験を重ねてきました。

FILE.01 エコネージュ®
製品品質の目標というのは?

製品のバージョンによって違いますが、例えばコストの目標があります。
コスト競争力があり、当然品質がよいこと。また隠蔽性やヒートシール性の具体的な目標があります。商品化された後は、お客様の包装適性(剛性・スリップ性など)への要求にこまかく応えていくことになります。

包装適性の調整には、先輩たちが蓄積してきた膨大なデータの中に、参考になることがいっぱいあります。包装適性自体は透明でも白色でも同じですから、開発者自身の好奇心でそのノウハウを吸収しておくことで開発効率が変わります。それでも、思ってもみなかったような用途が提示されることもあります。日々、勉強です。

開発者としては、正直、商品化前のプロトタイプを創っている時期が一番楽しいですね。自分自身が「伸びる」のも、この初期段階なんです。目標値の実現というだけでなく、この段階で、開発者のプライドとしてどこまでクオリティを高めておけるかが重要だと思っています。

エコネージュ®によって、国内市場のシェア構成は変わりましたか?

当初国内製品はゼロだったわけですが、現在は当社が大きなシェアを獲得しています。
当社ならではの高品質に加えて、小ロット対応・デリバリーの利便・短納期対応など、お客様に様々なメリットをご提供してきた結果だと思います。

FILE.01 エコネージュ®
現在も改良を続けておられるわけですが、
今後この商品はどのように変わっていくでしょう?

ダウンゲージ(薄肉化)が間違いなく進むでしょう。
しかしこれについては、ここ数年である程度検証を進めてあります。

当社の技術は国内では最先端だと思っていますし、何か課題・要望があった時に適切な判断やご返答ができるだけのバックデータは蓄積できていると自負しています。

MEMO
  • FILE.01 エコネージュ®
  • 2003年のエコネージュの発表以降、国内の乳白OPのシェアを拡大中。また、食品包材としてだけではなく、用途自体も拡大の傾向にある。
    乳白OPの先駆者として、当社が市場を切り拓いてきたといえます。

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