三井化学東セロ株式会社 創立90周年|90th SINCE 1929 ANNIVERSARY

フィルム・シートで延ばした歴史。
未来に伸びるものづくり。

当社は、1929年、セロハンの製造を手掛ける東京セロファン紙として創業。その後プラスチックフィルムに軸足を移し、様々な包装フィルム、産業用フィルムを開発し、供給してきました。2010年、機能性シート事業を手掛ける三井化学ファブロと事業統合。三井化学グループにおけるフィルム・シート事業の中核を担う、三井化学東セロ株式会社となりました。

フィルム・シートで延ばした歴史。未来に伸びるものづくり。

Product History Since1929

1929 昭和4年

東京セロファン紙株式会社創業

当社の原点である「東京セロファン紙株式会社」は、昭和4年1月19日、東京市日本橋区通りに創業しました。

セロハン(PT)セロハン(PT)

当時セロハンは極めて珍しい品で、その用途は、高級菓子の装飾的な包装に限られていました。1930年、輸出向け婦人帽子の麻真田に巻きつける用途が開拓され、セロハンの需要は急激に伸長しました。この需要拡大は、セロハンの生産性向上に寄与。それまでロールは手回しの巻取機で、長さは9m位でしたが、本格的な裁断巻取機導入により、180mまで巻けるようになりました。(東京セロファン紙/1995年製造停止)

1939 昭和14年

第二次世界大戦始まる
軍需品の開発生産

戦争の拡大に伴い、軍用品の需要が急増。当社が開発した軍需品のほとんどは軍から与えられた研究課題でしたが、ユニークなものも少なくありませんでした。

当時開発した軍需製品とは?

炊飯用セロハン筒
(セロハンケーシング)
折径12cm・長さ42cmの筒状で、戦場で米と水を入れ、熱湯の中で炊いてご飯を作る容器です。汚れた熱湯でも調理できる上、腐敗防止やカイロ代わりになると重宝されました。陸軍からの量産命令により、1942年には月間25万本を生産しました。その後技術を買い取り、改良した技術で特許を取得。1943年から終戦まで月間70万本の需要が続きました。
防毒衣用セロハン
毒ガスを防ぐための防毒衣に用いられる三層ラミネートのセロハンを製造。セロハン単体ではガスを透過しますが、このラミネート品は毒ガスを1時間以上防ぎました。
防毒マスクのメガネ用セロハン
防毒マスクの曇り止めに用いるため、高い透明度を要し、わずかな傷も許されませんでした。
防風面
戦場の塵埃を防ぐ道具。厚手のセロハンを貼り合わせて造られました。
可撓管(カトウカン)
航空機のガソリン・潤滑油パイプの内張りに用いられるもので、1943年頃から陸軍・海軍で大量に使用されました。耐油性・耐熱性を持たせるため、グリセリンをいれた極度に柔軟性のあるセロハンが開発されました。
糸入りセロハン
2枚のセロハンの間に縦横の木綿糸を挟み、貼り合わせたもの。お菓子の包装に用いられていましたが、戦時中には油紙の代用として、包帯の下に巻いたり、検便用として用いられました。

1945 昭和20年

第二次世界大戦終わる

1946 昭和21年

戦後の生産再開

東京工場は東京大空襲で罹災したものの、辛うじて残った建屋・設備でセロハン生産を再開。この他、硫酸紙を受託製造し、バター内装用、精密機械用、冷菓用、カニの缶詰用等に使用されました。浜松工場は資材調達難でセロハン生産開始が遅れました。少しでも収入を得るため、「ちがや」(すすきのような野草)を原料とする代用畳表や、ハトロン紙にビスコースを塗布・乾燥させたケミカルペーパーを生産しました。

1949 昭和24年

コーシンテープ

コーシンテープ

セロハンを袋状に折り畳み、中央に色のついた人絹糸を入れた美しい紐で、1952年頃大ヒットしました。販売子会社の興進社が加工していました。

1953 昭和28年

防湿セロハン(MST)

防湿セロハン(MST)

パイロットプラントにて製造・販売を開始。改良を重ね、1955年頃には自動包装適性を大幅に改善。調味料や菓子、タバコ等の大口需要家において、オーバーラップやラミネート用として採用されました。(東京セロファン紙/1992年製造停止)

セロハンテープ用セロハン(Sロール)

セロハンテープ用セロハン
(Sロール)

1949年頃から開発に着手し、原紙の面で大手テープメーカーの研究に加わり共同で改良を重ねました。問題点を改良して安定した製品が得られたのは1953年頃でした。

1961 昭和36年

ビニロンフィルム(VF、トスロン)

ビニロンフィルム(VF、トスロン)

ビニロンフィルム
(VF、トスロン)

PVA(ポリビニルアルコール)を原料とするフィルムで、当社初の本格的なプラスチックフィルムです。透明性が良く、しなやか且つ丈夫で、静電気による埃の付着が少ないことから、繊維包装用として浸透していきました。水溶性タイプ(トスロン)は、1963年からアメリカの病院向けに院内感染防止のランドリーバッグや、欧米の粉体農薬包装に使用され伸長しました。(東京セロファン紙/2009年製造停止)

1964 昭和39年

無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP フィルム)(CP)

無延伸ポリプロピレンフィルム
(CPP フィルム)(CP)

CPPの先発メーカーとして、1964年に当製品を上市しました。透明性、包装機械適性に優れていたことに加え、生販研一体となった取り組みがCPの発展を支えました。(東京セロファン紙)

1967 昭和42年

開閉自在袋(トーセロパック®101)

開閉自在袋
(トーセロパック®101)

溶断袋の製造時、袋のリップ面へ細幅状に接着剤を塗布し、その上にPE剥離テープを貼り、溶断して袋状にしたもので1967年に特許、実用新案を取得。全国約180社の製袋業者にライセンスしました。特許有効期限が切れた現在も繊維、文具、雑貨の透明袋は大半がこの形状です。(東セロ商事)

1968 昭和43年

PVDCコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム(V-OP®

二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)にPVDC(ポリ塩化ビニリデン)をコートしたバリアフィルム。当初は市場が未成熟で苦戦しましたが、生販研一体の販売活動、絶え間ない技術開発によって1979年以降の成長につなげていきました。(東京セロファン紙)

1971 昭和46年

二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)(OP)

二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)(OP)

OPPフィルムにおいては後発メーカーであったため、当初は独自品種開発による差別化に注力しました。その後、片面ヒートシールタイプ等、ラインアップを拡充し、販売数量を伸ばしました。(東京セロファン紙)

シリコーンコートフィルム(SP-PET™)

シリコーンコートフィルム
(SP-PET

フィルムにシリコーンをコートしたもので、当初は膏薬や粘着製品の離型紙、カセットテープの滑り板等に使われました。その後、研究を重ね、セラミックコンデンサ製造工程用の新銘柄を開発しました。(東セロ化学)

1972 昭和47年

ポリオレフィン発泡シート(ハッポート® パロニア®)

ポリオレフィン発泡シート
(ハッポート® パロニア®

1.3倍発泡のハッポートを1972年に上市。紙代替として、文具用途等で使用されました。低発泡技術を活かし、1980年には3倍発泡のパロニアを上市。段ボール代替、物流資材などに使用されました。以来、低発泡領域でラインナップを拡大してきました。(安城樹脂)

低発泡ポリエチレンシート(ハイシート®)

低発泡ポリエチレンシート
(ハイシート®

飲料ボトルや化粧品容器のキャップ内側に使用されるパッキン事業を開始。低臭で内容物への影響が少ない製品を開発し、お客様の信頼を獲得。今やパッキン用シートの代名詞となりました。(ハイシート工業)

1976 昭和51年

ファイブラスケーシング
(トーセロファイブラス)

ハム・ソーセージの製造用に使われる製品で、特殊な紙を筒状に成形し、これにビスコースを含侵させ凝固再生・完成させて作ります。(東邦セロファン)

1977 昭和52年

レトルト用シーラントCPP(レトルトCP)

レトルト用シーラントCPP
(レトルトCP)

120℃以上の高温高圧殺菌に耐えるハイレトルト銘柄をコンバーター、原料メーカーと共同開発し、カレー用等に供給しました。一方、100℃以上で殺菌するセミレトルト銘柄は1975年に上市。両銘柄ともニーズに合わせて物性を改良し、販売数量を伸ばしました。(東セロ化学)

1979 昭和52年

耐熱離型フィルム(オピュラン®)

耐熱離型フィルム
(オピュラン®

TPX®を主な原料とする耐熱離型フィルム。当社は三井石油化学工業(現 三井化学)から製造委託を受け生産を担ってきました。2010年、オピュラン事業は当社に移管されました。(三井石油化学工業)

L-LDPEフィルム(T.U.X™)

L-LDPEフィルム(T.U.X

他社に先駆けて上市したL-LDPEを原料とする無延伸フィルム。貼合用シーラントフィルムとして、冷凍食品、液体・粉体、重量物等の輸送における破袋・液漏れトラブル解消に貢献しました。(東京セロファン紙)

表面保護フィルム(三井マスキングテープ™)

表面保護フィルム
(三井マスキングテープ

独自の水系アクリル樹脂を用いて開発に着手。経時による粘着力の上昇が少なく、再剥離性に優れた製品を完成させ、上市しました。(三井東圧化学)

1980 昭和55年

無延伸共押出多層フィルム(T.A.F.®)

無延伸共押出多層フィルム
(T.A.F.®

多層化とブレンド技術を駆使して開発し、上市しました。当初はパン用、ラミネート用、生麺用が中心。1988年頃から超低温ヒートシールタイプ、耐寒ラミ用、繊維用等を次々と上市し、ヒットさせました。(東セロ化学)

イージーオープンフィルム(CMPS®)

イージーオープンフィルム(CMPS®

カップ等の容器蓋材として密封シール後、開封時に易開封可能なフィルムです。当初はニーズが少なく販売に苦労しましたが、ゼリー、プリン、豆腐等のカップ容器普及に伴い、1987年頃から市場が拡大しました。(東セロ化学)
※CMPSは三井・デュポン ポリケミカルの登録商標です。

1982 昭和57年

アルミ蒸着フィルム(ML)

アルミ蒸着フィルム(ML)

アルミ蒸着フィルム(ML)

真空環境下においてフィルム表面にアルミを蒸着したバリアフィルムです。スナック菓子メーカーによる蒸着フィルム採用の波に乗り、販売数量を拡大しました。(東京セロファン紙)

1987 昭和62年

半導体製造工程用テープ(イクロステープ™)

半導体製造工程用テープ
(イクロステープ

従来、半導体ウエハの裏面研削時にはレジストインキが使用されていましたが、環境面の問題から、半導体メーカーはテープを用いたプロセスを検討。当社は、糊残りが少なくウエハの破損防止性等に優れるテープを開発し、半導体メーカーに供給を開始しました。(三井東圧化学)

1988 昭和63年

EVA系 太陽電池用封止シート(ソーラーエバ™)

EVA系 太陽電池用封止シート
(ソーラーエバ

太陽電池の黎明期から、EVAを原料とする太陽電池用封止シートの生産を開始。技術を進化・蓄積し、世界中の太陽電池モジュールメーカーに製品を供給してきました。(ハイシート工業)

1993 平成5年

東セロ株式会社へ

東京セロファン紙、新東セロ商事、東セロ化学が合併。社名を東セロ株式会社としました。

1997 平成9年

PVAコートOPPフィルム(A-OP®)

PVAコートOPPフィルム
(A-OP®

非塩素系のエコロジーなバリアフィルムとして開発。ユーザーの環境問題意識が高まり、焼却しやすい地球環境への負荷が少ないフィルムとして需要が拡大しました。(東セロ)

2002 平成14年

透明蒸着フィルム(TL)

PETフィルムを基材とする非塩素系透明バリアフィルム。長年、アルミ蒸着フィルムで培った技術力を活かして開発・上市しました。(東セロ)

乳白OPPフィルム(エコネージュ®)

乳白OPPフィルム
(エコネージュ®

独自技術を駆使して国内メーカーで最初に乳白OPPフィルムを上市しました。雪のように白く美しいフィルムで、包装用途だけでなく、情報用紙など幅広く展開しています。(東セロ)

2004 平成16年

鮮度保持OPPフィルム(スパッシュ®)

鮮度保持OPPフィルム
(スパッシュ®

鮮度保持機能を有する防曇OPPフィルムを開発。野菜や果物等の萎れや変色を抑え、食品ロスの発生を抑制します。(東セロ)

2006 平成18年

透明ハイバリアフィルム(マックスバリア®)

透明ハイバリアフィルム
(マックスバリア®

PETフィルムをベースに独自の蒸着・コーティング技術を駆使することで、透明でありながらアルミ箔に迫るバリア性を実現しました。(東セロ)

2010 平成22年

省資源・環境対応型L-LDPEフィルム(エルスマート®)

省資源・環境対応型L-LDPEフィルム(エルスマート®

L-LDPEを原料に、独自のフィルム成形技術を駆使した高機能シーラントフィルムです。包装材の薄肉化を可能とし、薄肉化を図っても、従来以上の耐衝撃性、耐ピンホール性を実現する画期的な製品です。(東セロ)

三井化学東セロ株式会社へ

三井化学東セロ株式会社へ

三井化学東セロ株式会社へ

東セロと三井化学ファブロが事業統合。
三井化学東セロが発足。

2012 平成24年

ポリオレフィン系太陽電池用封止シート(ソーラーエース™)

ポリオレフィン系太陽電池用封止シート(ソーラーエース

長年、EVA系封止シートで培った知見を活かし、より高性能なポリオレフィン系封止シートをいち早く開発、市場をリードしてきました。

2016 平成28年

PVDCコート透明ハイバリアフィルム(Vバリア®)

PVDCコート透明ハイバリアフィルム(Vバリア®

PETフィルムに蒸着加工及びPVDCをコートしたもので、業界トップクラスの防湿性を有し、乾燥食品の長期間にわたる「しけり」を防止します。

2018 平成30年

PE系鮮度保持フィルム
(パルフレッシュ ※開発品

包装袋内の清浄維持により鮮度を保持し、食品ロス抑制に貢献するPEフィルムです。

2019 平成31年

創立90周年

To The Future

(参考資料:東セロ70年史、ハイシート工業30年史 他)